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2008年11月10日 (月)

高雄がガーデン・シティー

(注)この記事は、旧サイトで 2006/11/07 に書いたものです。

▼駅貼りのポスターに残る「高雄がガーデン・シティー」の文字。
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▲営業運転に就いた[口都][口都]列車。「高雄がガーデン・シティー」の部分は上からシールを貼って訂正してありました。

 2006年春まで高雄臨港線を走っていた「Do Do Train」こと、[口都][口都]火車。イベント列車らしく、車体には様々なイラストやロゴが描かれていますが、このうち中文の「高雄是座花園城市」に対する和訳が、当初は「高雄がガーデン・シティー」だったことを知っている方は少ないのではないかと思います。

 しかし、台湾鐵路局もさすがにこれは少し変だと考えたのでしょう。後に該当部分は「高雄は花の都」とこなれた表現に置き換えられ(「高雄がガーデン・シティー」の上にシールを貼って訂正してありました)、この不思議な味わいの日本語が人々の目に触れることはなくなりました。

 我々は「は」と「が」の使い分けをほとんど無意識に行っていますが、日本語を外国語として学習する人にとっては、"フィーリング"ということで片付けるわけにはいきません。以前、日本に語学留学していた台湾人の学生に、日本語の助詞「は」と「が」の区別について、学問的な見地からレクチャーを受けたことがあります。その論理的な分析に感嘆すると同時に、日本語の助詞はけっこう厄介な存在なんだな~と思いました。このあたりは、日本人にとって英語の前置詞を使いこなすことが難しいのと相通ずるモノがあるのかも知れませんね。

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▲台湾の街角に溢れる愛すべき日本語看板たち。

 ところで、エキゾチックな雰囲気の日本語といえば、やはり台湾の街角に溢れる正体不明、摩訶不思議な看板たちのことについて触れなければならないでしょう。私が初めて台湾を旅行したとき、その自由奔放なスタイルは非常に刺激的でした。

 しかし、最近では台湾でも外国語のクオリティーに対する消費者の要求が厳しくなり、ただ日本語で書いてありさえすればOKという時代は終わったような気がします。また、日本人の側も目が肥えてきたというか、某匿名掲示板の意図的な誤字、当て字の世界に慣れたせいもあって、「マシサージ」や「パチソコ」程度のネタでは驚かなくなりました。

 もっとも、地方都市へ行くとまだまだ怪しげな物件があったりします。私が過去に遭遇した中で最強の看板は、雲林縣の北港鎭で見つけたそれ(写真参照)。下に書かれた「はかりつうはん」はともかく、「しぶヤくぃかギりヘヤ」のほうは、一体何のことを言っているのか、仮名文字を眺めただけでは全く見当も付きません。

▼しぶヤくぃかギりヘヤ…これだけでは何を言わんとしているのかさっぱり分かりません。
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▲[衣庫]の字が日本語読みだとなぜか「かギり」になってしまうのも謎といえば謎ですね。

 横に掲げられた漢字混じりの看板と見比べて、初めて「しぶヤ」が「渋谷」、「ぃかギり」の「ぃ」が「衣」であり、どうやらカジュアルファッションを扱うお店であろうことが分かります。

 でも、よくよく目を凝らしてみると「しぶヤ」の「しぶ」の字が「渋(澁)」じゃなくて「渉」だったりするんですよね。見れば見るほど実に奥が深い看板です。

 今でも台湾の田舎町には私たちがまだ発見していない"珍"看板が眠っているのかも知れない…そんなことを考えながら台湾の地図を眺めると、未知の土地に対する好奇心がいやが上にも高まってきます。何も見どころがないように思える場所だからこそ何かある。観光客が素通りする都市ゆえにあえて行く。さぁ、あなたも台湾各地の無名の町や村へ「お宝発掘」の旅に出かけてみませんか?

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